相対運動

相対運動
相対運動とは、ある物体を別の観測者から見た時の運動です。別の観測者というのは別の座標系のことです。
例えば、ある座標系で見て(3,4)にいる人は、別のある座標系から見ると(-1,2)にいます。
ある座標系で見て右に動いている人は、別のある座標系から見ると左下に動いています。この辺りの話を整理してみます。
xA=(xy)\vec{x_A}=\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}
ある座標系でのAさんの位置をxA=(x,y)\vec{x_A}=(x,y)とします。x, yは時間変動します。
xB=(pq)\vec{x_B}=\begin{pmatrix}p\\q\end{pmatrix}
ここで、Bさんの位置をxB=(p,q)\vec{x_B}=(p,q)として、そこを原点とする座標系を考えます。p,qも時間変動します。座標系は回転しないことにしますね。
xAB=xAxB=(xpyq)\vec{x_{AB}}=\vec{x_A}-\vec{x_B}=\begin{pmatrix} x-p\\y-q\end{pmatrix}
このときAさんは、Bさんの座標で見ると、xAB=xAxB=(xp,yq)\vec{x_{AB}}=\vec{x_A}-\vec{x_B}=(x-p,y-q)にいます。言うなれば「相対位置」です。
xAB=xAxB\vec{x_{AB}}=\vec{x_A}-\vec{x_B}
vAB=ddtxAB\vec{v_{AB}}=\frac{d}{dt}\vec{x_{AB}}
=ddtxAddtxB=\frac{d}{dt}\vec{x_A}-\frac{d}{dt}\vec{x_B}
=vAvB=\vec{v_A}-\vec{v_B}
xAB=xAxB\vec{x_{AB}}=\vec{x_A}-\vec{x_B}を時間微分すると、vAB\vec{v_{AB}}が出てきますが、このように項別に微分すればよく、vAvB\vec{v_A}-\vec{v_B}となります。これが「Bから見たAの相対速度」です。
vAB=vAvB\vec{v_{AB}}=\vec{v_A}-\vec{v_B}
aAB=ddtvAB\vec{a_{AB}}=\frac{d}{dt}\vec{v_{AB}}
=ddtvAddtvB=\frac{d}{dt}\vec{v_A}-\frac{d}{dt}\vec{v_B}
=aAaB=\vec{a_A}-\vec{a_B}
また、vAB=vAvB\vec{v_{AB}}=\vec{v_A}-\vec{v_B}を時間微分すると、aAB\vec{a_{AB}}が出てきますが、このように項別に微分すればよく、aAaB\vec{a_A}-\vec{a_B}となります。これが「Bから見たAの相対加速度」です。
xAB=xAxB\vec{x_{AB}}=\vec{x_A}-\vec{x_B}
vAB=vAvB\vec{v_{AB}}=\vec{v_A}-\vec{v_B}
aAB=aAaB\vec{a_{AB}}=\vec{a_A}-\vec{a_B}
これらをまとめると、Bさんの座標系で見たAさんの位置・速度・加速度は、xAB=xAxB\vec{x_{AB}}=\vec{x_A}-\vec{x_B}vAB=vAvB\vec{v_{AB}}=\vec{v_A}-\vec{v_B}aAB=aAaB\vec{a_{AB}}=\vec{a_A}-\vec{a_B}となり、全て「観測対象-観測者」、簡単に言うと「相手-自分」の形になります。