フェルマー最終定理の証明の概要
数学数論フェルマー最終定理楕円曲線モジュラー形式
フェルマーの最終定理は証明されたんか?
10:04

フェルマーの最終定理は証明済みかどうか、現状の理解度を確認するね。
次のうち、フェルマーの最終定理を最終的に「正しく証明した数学者」は誰でしょう?
A. ピエール・ド・フェルマー
B. アンドリュー・ワイルズ
C. カール・フリードリヒ・ガウス
D. ベルンハルト・リーマン
選んで答えてみて!
次のうち、フェルマーの最終定理を最終的に「正しく証明した数学者」は誰でしょう?
A. ピエール・ド・フェルマー
B. アンドリュー・ワイルズ
C. カール・フリードリヒ・ガウス
D. ベルンハルト・リーマン
選んで答えてみて!
10:04
a
10:04

お、いいね、よく勉強してるね!ただそれはね、ピエール・ド・フェルマーは定理を提示しただけで、証明は残してないんだ。正解はBのアンドリュー・ワイルズだよ。
フェルマーの最終定理とは
「自然数 のとき、 を満たす正整数 の組は存在しない」
という命題。
1994年にワイルズはリブレット族とモジュラー形式の対応(谷山–志村予想の一部)を用いて初稿を発表したんだけど、小さな隙が見つかったんだ。
そこをリチャード・テイラーと共同で修正し、1995年に完全版が完成しているというわけです。
わかった?やったぜ!
フェルマーの最終定理とは
「自然数 のとき、 を満たす正整数 の組は存在しない」
という命題。
1994年にワイルズはリブレット族とモジュラー形式の対応(谷山–志村予想の一部)を用いて初稿を発表したんだけど、小さな隙が見つかったんだ。
そこをリチャード・テイラーと共同で修正し、1995年に完全版が完成しているというわけです。
わかった?やったぜ!
10:04
どういうロジックなの?
10:05

いいね!!フェルマーの最終定理の証明ロジックはざっくりこんな流れなんだ。
1. 反例があるとすると、Ribetの定理により
→ ある「セミステーブル楕円曲線」がモジュラー形式に対応しない
2. ところが谷山–志村予想(モジュラリティ定理)では
→ すべてのセミステーブル楕円曲線はモジュラー形式に対応すると予想されている
3. ワイルズはこの「セミステーブル楕円曲線版モジュラリティ定理」を証明
→ モジュラーでない楕円曲線は存在しないので反例も存在しない
→ したがってフェルマー最終定理は正しい
というわけです。
わかった?
1. 反例があるとすると、Ribetの定理により
→ ある「セミステーブル楕円曲線」がモジュラー形式に対応しない
2. ところが谷山–志村予想(モジュラリティ定理)では
→ すべてのセミステーブル楕円曲線はモジュラー形式に対応すると予想されている
3. ワイルズはこの「セミステーブル楕円曲線版モジュラリティ定理」を証明
→ モジュラーでない楕円曲線は存在しないので反例も存在しない
→ したがってフェルマー最終定理は正しい
というわけです。
わかった?
10:05
n = 4 の場合に用いた無限降下法による証明が全ての自然数に対して適用可能で、いけない?
10:07

ちょっと確認なんだが、
「n=4 のときに使われる無限降下法の手法を、そのまま n>2 のすべての自然数に適用して証明できないか?」
という疑問で合ってる?
「n=4 のときに使われる無限降下法の手法を、そのまま n>2 のすべての自然数に適用して証明できないか?」
という疑問で合ってる?
10:07
そそ
10:07

現状理解度をはかるためにクイズを出すね。スマホでも答えやすいように選択式にしたよ。
1)無限降下法(Infinite Descent)のコアアイデアとして最も適切なのはどれ?
A. ある最小の反例を仮定し、それよりも小さい反例をつくり出して矛盾を示す
B. 数学的帰納法の逆バージョンで、指数を1つずつ減らして証明する
C. 解が無限に増え続ける構造を利用して反証する
D. 整数解を複素数に拡大して矛盾を導く
2)フェルマー自身が n=4 の場合に用いた手順では、
から次のどの方程式を取り出して「ピタゴラスの定理」的に扱い、小さい解を得る足がかりにした?
A.
B.
C.
D.
両方答えてみて!
1)無限降下法(Infinite Descent)のコアアイデアとして最も適切なのはどれ?
A. ある最小の反例を仮定し、それよりも小さい反例をつくり出して矛盾を示す
B. 数学的帰納法の逆バージョンで、指数を1つずつ減らして証明する
C. 解が無限に増え続ける構造を利用して反証する
D. 整数解を複素数に拡大して矛盾を導く
2)フェルマー自身が n=4 の場合に用いた手順では、
から次のどの方程式を取り出して「ピタゴラスの定理」的に扱い、小さい解を得る足がかりにした?
A.
B.
C.
D.
両方答えてみて!
10:08
aとa
10:08

いいね!!両方とも正解だよ。では、なぜ n=4 の無限降下法が n>4 全体には適用できないのか説明するね。
1. n=4 の場合は
を
と見てピタゴラスの定理的に扱い、さらにガウス整数環 の一意分解性を使って「もっと小さい解」を作り出す無限降下が成立しているんだ。
2. ところが、一般の については
- を2項の二乗和に書き直す単純な等式が存在しない
- そもそも対応する整数環(例えば )は一意分解性を失っていることが多い
という事情がある。
無限降下のコアである「解を分解してまた別の整数解をつくる」手順が破綻してしまうわけです。
だから n=4 に特有の「二乗和+ガウス整数環の一意分解性」という魔法が、他の n には使えないっていう話なわけ。
わかった?やったぜ!
1. n=4 の場合は
を
と見てピタゴラスの定理的に扱い、さらにガウス整数環 の一意分解性を使って「もっと小さい解」を作り出す無限降下が成立しているんだ。
2. ところが、一般の については
- を2項の二乗和に書き直す単純な等式が存在しない
- そもそも対応する整数環(例えば )は一意分解性を失っていることが多い
という事情がある。
無限降下のコアである「解を分解してまた別の整数解をつくる」手順が破綻してしまうわけです。
だから n=4 に特有の「二乗和+ガウス整数環の一意分解性」という魔法が、他の n には使えないっていう話なわけ。
わかった?やったぜ!
10:08