磁場中の荷電粒子の検出時間と電圧

電磁気学ローレンツ力サイクロトロン周波数運動時間平行板
磁場中の荷電粒子の運動

スイッチを閉じている長さを徐々に長くしていくとΔtで初めて検出器で荷電粒子が検出された

ってあるけど、VとΔtはなんの関係があるの?
21:04
リュウツー先生
リュウツー先生
いいね、まず確認させてほしいんだが、質問の状況をハッキリさせたい。

1) 「V」は粒子の速さ(速度の大きさ)を指してる?それとも電圧(V)のこと?
2) 「スイッチを閉じている長さを徐々に長くしていく」というのは、空間的に閉じている領域の長さを長くする話?それともスイッチを閉じている時間(パルス幅)を長くする話?実験装置の簡単な説明(源と検出器の距離、磁場の向きなど)があれば教えて。

現状の理解度確認のために、簡単なクイズを出すね。スマホでも答えやすい選択式で。

Q1. 粒子が検出器まで直線的に距離Lだけ進むとき、検出に要する時間Δtと速さVの関係はどれ?
A: Δt ∝ V(速さに比例)
B: Δt ∝ 1/V(速さに反比例)
C: Δt は V に依存しない
D: Δt ∝ V^2

Q2. 粒子が一様な磁場に入り、速度が磁場に対して垂直なとき、速度の大きさ(速さ)はどうなる?
A: 変わらない(一定)
B: 徐々に減る
C: 徐々に増える
D: 場合による(情報不足)

どっちを選ぶ?答えもらえたら、そこから君の理解度に合わせて説明を始めるよ。
21:04
1.Vは電圧

2.磁場がない場所で、平行平板極板があって、スイッチを入れると電圧Vがかかって、Vがかかると荷電粒子がが発射する。
荷電粒子が発射すると手前向きBの磁場内を円運動する
21:08
リュウツー先生
リュウツー先生
いいね、状況をもう少しだけハッキリさせたい。いくつか確認してから進めるよ。答えてくれる?

1) スイッチを閉じている「長さ」を徐々に長くしていって初めて検出器で粒子が検出された、というのは「パルス幅(電圧がかかっている時間)を長くしていって、ある最短時間Δt以上オンにすると粒子が検出される」という意味で合ってる?それとも別の意味?

2) 粒子は平行平板間で加速されて磁場領域に入る、という理解でいい?加速領域の大きさや、検出器までの経路(磁場中での円運動の角度や検出器の位置)をざっくり教えてほしい。例:加速後に磁場中で半周して検出器に当たる、みたいな感じ?

3) 粒子の初速度はほぼゼロから加速される想定?非相対論的(速度は光速に比べて十分遅い)で良い?

現状理解度確認のためにクイズを1問出すよ。スマホで答えやすい選択式。

Q. 平行平板での加速によって得られる粒子の速さvとかけた電圧Vの関係はどれ?(粒子電荷をe、質量をmとする)
A: v ∝ V(比例)
B: v ∝ sqrt(V)(Vの平方根に比例)
C: v ∝ 1/V(反比例)
D: v は V に依存しない

どれを選ぶ?答えもらったら、理解度に合わせて式を使って説明するよ。
21:08
1、うん。
2.うん。平行極板の距離はd、検出器までは一直線。例であってる。
3、うん。

B
21:12
リュウツー先生
リュウツー先生
いいね!!Bは正解だ。まず関係式を確認するね。

平行板で加速されたとき運動エネルギーは電位差で与えられて、
12mv2=qV\tfrac{1}{2}mv^2=qV だから
v=2qVmv=\sqrt{\dfrac{2qV}{m}} ってこと。

ところが磁場中で速度が磁場に垂直なら角速度(サイクロトロン周波数)は
ω=qBm\omega=\dfrac{qB}{m} で、これは速度に依存しない。
磁場中で角度θ\thetaだけ回るのに要する時間は
Δt=θω=mθqB\Delta t=\dfrac{\theta}{\omega}=\dfrac{m\theta}{qB}
つまり、検出器が磁場中のある角位置(例えば半周ならθ=π\theta=\pi)にある場合、その到達時間は電圧VVに依存しないんだ。

注意点:
- 加速領域での経過時間や入射角が変わると話が変わる。
- 速度に平行な成分がある(螺旋運動)場合や相対論的な速度では補正が必要。

ここまでOK?やったぜ!
21:12
あーちがう

電源のスイッチを閉じる時間を徐々に長くしていくとΔtで初めて検出器に届いたってこと
21:14
リュウツー先生
リュウツー先生
確認させて。前提はこうで合ってる?
- 平行平板で電圧Vをかけて粒子を静止から加速し、板を出たあと磁場中を通って一直線上の検出器に届く。
- スイッチはパルスで、パルス幅(オン時間)を徐々に長くしていき、ある最短の幅Δtで初めて検出器に粒子が届く。
これを前提にクイズを出すよ。選択肢で答えてくれ。

Q. この最小オン時間Δtと電圧Vの関係はどれに最も近い?(他の幾何的長さは一定とする)
A: Δt ∝ 1/ V
B: Δt ∝ 1/√V
C: Δt ∝ √V
D: Δt は V に依存しない

どれを選ぶ?
21:14
うん
A
21:15
リュウツー先生
リュウツー先生
お、いいね、よく勉強してるね!ただそれはね、Δt を「加速に必要な時間」として考えるときには違うんだよ。

平行板間の電場は E = V/d、粒子に働く加速度は
a=qEm=qVmda=\dfrac{qE}{m}=\dfrac{qV}{md}
初速ゼロから板間距離 d を抜けるのに要する時間 t は
d=12at2d=\tfrac12 a t^2 より
Δt=t=2da=2mdqV.\Delta t=t=\sqrt{\dfrac{2d}{a}}=\sqrt{\dfrac{2md}{qV}}\,.
ゆえに Δt ∝ 1/\sqrt{V} で、選択肢だと B が正解になる。君の選んだ A(Δt ∝ 1/V)は、例えば加速距離が電圧に比例するような別の条件のときには成り立つかもしれないけど、ここでは違うわけです。

補足:板を出た後の磁場内での到達時間は角周波数 ω=qB/m\omega=qB/m によって決まり、速度に依存しない点も注意。

わかった?
21:15
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