エタノールがNaと反応しNaOHと反応しない理由

化学酸塩基平衡アルコールナトリウム水酸化ナトリウム

CH2OHとNaOH反応しない?

11:55
リュウツー先生
リュウツー先生

化学をワシに聞くかね。とはいえこれは大事なとこだね。

まず確認したいんだけど、君の言う「CH2_2OH」って、何の分子の一部のつもり?
たとえば **CH3_3OH(メタノール)**なのか、**R-CH2_2OH(一般のアルコール)**なのか、そこを教えてくれる?

一般論だけ先に言うと、普通のアルコール(R-OH)はNaOHとはほぼ反応しないと思ってOK。
理由は酸塩基で見て、アルコールは酸として弱すぎるから。

  • アルコール:pKa16pK_a \approx 16 くらい
  • 水:pKa15.7pK_a \approx 15.7

つまり
ROH+OHRO+H2O\mathrm{ROH + OH^- \rightleftharpoons RO^- + H_2O}
は、ほぼ左に寄ってて、RO\mathrm{RO^-}(アルコキシド)があんまりできないわけ。

なのでアルコールを塩(アルコキシド)にしたいなら、典型的には NaH とか 金属Na を使う、っていう話になる。

いまの理解チェックね。次のうち「だからNaOHでは脱プロトン化が進みにくい」一番の理由はどれ?

A. OH\mathrm{OH^-} が弱塩基だから
B. アルコールの酸性が水と同程度で、平衡があまり右に行かないから
C. NaOHが水に溶けないから
D. NaOHが酸化剤だから

どれ?(それと、君のCH2_2OHが具体的に何かも教えてくれる?)

11:55

あ間違えた
C2H5OHとNaOH

11:56
リュウツー先生
リュウツー先生

なるほど、C2H5OH\mathrm{C_2H_5OH}(エタノール)とNaOH\mathrm{NaOH}ね。意図は「混ぜたら何か起きる? エトキシドC2H5ONa+\mathrm{C_2H_5O^-Na^+}できる?」ってこと?

一応反応式としては

C2H5OH+OHC2H5O+H2O\mathrm{C_2H_5OH + OH^- \rightleftharpoons C_2H_5O^- + H_2O}

は書けるんだけど、平衡がほぼ左で、実質「反応しない」扱いでOK。

理由は酸の強さ(pKapK_a)で、
水:pKa15.7pK_a \approx 15.7、エタノール:pKa16pK_a \approx 16 くらい。
OH\mathrm{OH^-}C2H5OH\mathrm{C_2H_5OH}からH+\mathrm{H^+}を奪っても、できたH2O\mathrm{H_2O}がほぼ同じくらいの酸なので、右に進む決定打がないってこと。

じゃあ理解度チェックいくよ(選択式)。

Q1. 平衡が左に寄る主因は?
A. エタノールが塩基性だから
B. エタノールの酸性が水より弱く、OH\mathrm{OH^-}で引き抜きにくいから
C. NaOHが揮発するから
D. 反応が酸化還元だから

Q2. エタノールを確実にC2H5ONa+\mathrm{C_2H_5O^-Na^+}にしたいときによく使うのは?
A. NaOH
B. NaCl
C. NaH(または金属Na)
D. HCl

A〜Dで答えてくれる?

11:56

金属ナトリウムと反応するのに、水酸化ナトリウムと反応しないのはなぜ

11:59
リュウツー先生
リュウツー先生

いい質問だね。ポイントは「酸塩基の強さ」じゃなくて、生成物が何で、どっちが安定かって話です。

まずNaOH\mathrm{NaOH}の場合は酸塩基平衡で
C2H5OH+OHC2H5O+H2O\mathrm{C_2H_5OH + OH^- \rightleftharpoons C_2H_5O^- + H_2O}
水とエタノールの酸性(pKapK_a)がほぼ同じなので、右に進むメリットが小さくて平衡があまり動かない。だから「反応しない」扱い。

一方、金属ナトリウムNa\mathrm{Na}は酸塩基じゃなくて酸化還元で進む:
2C2H5OH+2Na2C2H5ONa+H2\mathrm{2\,C_2H_5OH + 2Na \rightarrow 2\,C_2H_5ONa + H_2\uparrow}
ここでH2\mathrm{H_2}気体として抜けるから、ルシャトリエの原理で反応がどんどん右に進むわけ。さらに電子で見ると、Na\mathrm{Na}が電子を出してNa+\mathrm{Na^+}になり、H+\mathrm{H^+}側がH2\mathrm{H_2}になる、っていう強烈な駆動力がある。

要するに

  • NaOH\mathrm{NaOH}:平衡、しかも進みにくい
  • Na\mathrm{Na}H2\mathrm{H_2}発生で不可逆っぽく進む(駆動力デカい)

ってこと。わかった?

11:59

あざっす

12:00
リュウツー先生
リュウツー先生

やったぜ!

まとめると、C2H5OH\mathrm{C_2H_5OH}NaOH\mathrm{NaOH}
C2H5OH+OHC2H5O+H2O\mathrm{C_2H_5OH + OH^- \rightleftharpoons C_2H_5O^- + H_2O}
みたいに「平衡」になるけど、水とエタノールの酸性がほぼ同じで右に寄りにくいから、実質あんまり進まないって話。

金属Na\mathrm{Na}
2C2H5OH+2Na2C2H5ONa+H2\mathrm{2C_2H_5OH + 2Na \rightarrow 2C_2H_5ONa + H_2\uparrow}
H2\mathrm{H_2}が気体で抜ける(+酸化還元で駆動力大)から、反応が進むわけです。

また疑問出たら投げて!

12:00

フェノール性ヒドロキシ基は、中和するよね?

12:02
リュウツー先生
リュウツー先生

そうそうそうそう、フェノール性ヒドロキシ基(Ar–OH)はNaOHで中和できるよ。

反応はこれね:
ArOH+NaOHArONa+H2O\mathrm{ArOH + NaOH \rightarrow ArONa + H_2O}
ArO\mathrm{ArO^-}フェノキシドイオンって呼ぶ)

さっきのエタノールと違う理由は、フェノールの方が酸として強いから。
目安で

  • フェノール:pKa10pK_a \approx 10
  • エタノール:pKa16pK_a \approx 16
  • 水:pKa15.7pK_a \approx 15.7

って感じで、フェノールはH+\mathrm{H^+}を手放したあとのArO\mathrm{ArO^-}共鳴(ベンゼン環に電荷が広がる)で安定になる。
だからOH\mathrm{OH^-}H+\mathrm{H^+}を奪う反応がガッツリ右に進んで、中和が起きるっていう話なわけです。

確認クイズ(1問だけ)いくよ。
フェノールがアルコールより酸性が強い主因は?

A. 分子量が大きいから
B. ArO\mathrm{ArO^-}が共鳴で安定化するから
C. NaOHが強い酸だから
D. フェノールが塩基だから

どれ?

12:02

エタノールってそんな弱いんだ

12:02
リュウツー先生
リュウツー先生

そう、エタノールは「酸」として見るとかなり弱いんです。

酸の強さはだいたい pKapK_a で見るんだけど、

  • エタノール:pKa16pK_a \approx 16
  • 水:pKa15.7pK_a \approx 15.7
  • フェノール:pKa10pK_a \approx 10

11違うと平衡が約1010倍動くから、フェノールとエタノールは66違いで、ざっくり10610^6倍レベルで差があるって感覚。

だから
C2H5OH+OHC2H5O+H2O\mathrm{C_2H_5OH + OH^- \rightleftharpoons C_2H_5O^- + H_2O}
は「水と同じくらいの弱酸同士の入れ替え」みたいになって、ほぼ進まない。

一方で金属Na\mathrm{Na}相手だと
2C2H5OH+2Na2C2H5ONa+H2\mathrm{2C_2H_5OH + 2Na \rightarrow 2C_2H_5ONa + H_2\uparrow}
H2\mathrm{H_2}が抜ける&酸化還元で進む、ってわけ。

ここまでOK?

12:02

へーーー

12:03
リュウツー先生
リュウツー先生

へーーーってなったならOKです。笑

エタノールは「弱酸」っていうより、ほぼ酸として働かないくらい弱い、って感覚でいい。
だからNaOHと混ぜても

C2H5OH+OHC2H5O+H2O\mathrm{C_2H_5OH + OH^- \rightleftharpoons C_2H_5O^- + H_2O}

がほとんど左で、C2H5O\mathrm{C_2H_5O^-}が増えない。

逆にフェノールはpKapK_aが小さくて(10\approx 10)、共鳴でArO\mathrm{ArO^-}が安定だから

ArOH+NaOHArONa+H2O\mathrm{ArOH + NaOH \rightarrow ArONa + H_2O}

が進む、っていう話です。

もう一段だけ聞くけど、今の「へーーー」は
pKapK_aの数字の意味」が刺さった?それとも「平衡が動く/動かない」の方が刺さった?

12:03

フェノールと金属ナトリウムは?

12:10
リュウツー先生
リュウツー先生

フェノールC6H5OH\mathrm{C_6H_5OH}と金属ナトリウムNa\mathrm{Na}は、反応するよ。
エタノールのときと同じで、H2\mathrm{H_2}が出るやつ。

2C6H5OH+2Na2C6H5ONa+H2\mathrm{2\,C_6H_5OH + 2Na \rightarrow 2\,C_6H_5ONa + H_2\uparrow}

生成物はフェノキシドナトリウムC6H5ONa\mathrm{C_6H_5ONa})。
フェノールはそもそも酸性がエタノールより強い(pKa10pK_a\approx10)から、NaOHでも中和するし、金属Naならなおさら進みます。

ただし実験的には、Naは水分があると危ないし、フェノール自体も扱い注意なので、そこは安全第一ね。

理解度チェック(選択式)いくよ。

Q1. フェノール+Naで気体として発生するのは?
A. O2\mathrm{O_2} B. H2\mathrm{H_2} C. CO2\mathrm{CO_2} D. Cl2\mathrm{Cl_2}

Q2. 生成する塩は?
A. C6H5COONa\mathrm{C_6H_5COONa} B. C6H5ONa\mathrm{C_6H_5ONa} C. Na2CO3\mathrm{Na_2CO_3} D. C6H6\mathrm{C_6H_6}

答えてくれる?

12:10
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