会話
CaCl2水溶液を加えて、エタノールを水に溶解しやすい形に変えるってどゆこと?
化学をワシに聞くかね。とはいえ、これはわりと物理っぽい話で説明できるやつ。
まず確認なんだけど、状況としては
「水とエタノールが混ざりにくい(層になる)ところに、水溶液を加えると混ざりやすくなる」
って話?それとも
「水にエタノールは元から混ざるけど、さらに“溶けやすい形”に変える」
みたいな言い方を先生がしてた感じ?
ここがハッキリすると説明が一発で決まるので、どっちの場面か教えて。
ちなみに一般論を先に言うと、
- エタノールはもともと水と完全に混ざる(任意の割合で混和)
- だから普通は「溶けやすい形に変える」っていうより、水側の性質を変えて溶け方を変えるとか、別の物質(例:エーテル)に溶けてるエタノールを水側に引っ張ってくるみたいな文脈で出てきがち
って感じなんよね。
じゃあ理解度チェック。今の時点でのイメージに近いのどれ?
Q1 水に塩()を入れると起きることとして、近いのは?
A. 水分子がイオンの周りに集まって「自由な水」が減る
B. 水の温度が必ず上がる(どんな量でも)
C. 水がエタノールを化学反応で別物質に変える
D. エタノールが電離してイオンになる
Q2 エタノールが水に溶ける主な理由として近いのは?
A. 水とエタノールが水素結合できるから
B. エタノールが金属だから
C. エタノールが必ずイオンになるから
D. 水がエタノールを分解するから
A〜Dで答えてくれる?そのあと「溶けやすい形」って言い方の正体をちゃんと噛み砕いて説明するわ。
エーテル抽出で、水層を除去する時にCaCl2入れる理由がわからん
Q1D
Q2A?
お、答えてくれていいね!
Q2はAでOK。エタノールは水と水素結合できるから混ざりやすい。
ただQ1はDじゃなくてAが近い。を入れると、のまわりに水分子がガッと集まって(水和)、水がイオンに拘束されるんよ。すると「自由に動ける水」が減って、他の中性分子(エタノールとか)が水に居座りにくくなる。
で、エーテル抽出の文脈だと、を入れる理由は主に2つ。
-
塩析(エタノールを水層に溶かしにくくする)
エーテル層にエタノールがちょい混ざってたり、逆に水層にエーテル(や有機物)がちょい溶けてたりする。ここでを水層に加えると水がイオンに取られて、エタノールみたいな分子は水に溶けにくくなり、有機層(エーテル層)側に追い出されやすい。
「溶けやすい形に変える」じゃなくて、正確には水側が“溶かす力”を失って、エタノールが水から出ていくって感じ。 -
層分離をよくする(エマルジョン対策)
塩を入れると水層の性質が変わって、細かい液滴がまとまりやすくなって層が切れやすいことがある。
※注意:有機層の「乾燥」なら普通は無水や無水を有機層に入れることが多い。も乾燥剤として使うことはあるけど、アルコールやアミンを絡め取ったりして相性がある。
ここまでOK?
今の操作は「水層に水溶液を加えた」のか、「有機層に固体を入れた」のか、どっちだった?そこで目的が少し変わるんよ。
エタノールと酢酸エチルが混ざってるからエタノールを除去するためにCaCl2入れたってこと?
そうそう、その理解かなり近い。結論から言うと、
酢酸エチル(有機層)に混ざり込んだエタノールを、水層側へ引っ張って除去するためにを使う
ってことが多いです。
ポイントは2つね。
-
は水を強くつかむ(水和)
のまわりに水分子がガチガチに集まる。すると水相は「イオンが多い濃い水」になって、ただの水よりも性質が変わる。 -
エタノールはイオン水溶液に“居場所”を作りやすい/有機層に居場所が減る
実際の実験操作としては、酢酸エチル層を飽和食塩水や**塩化カルシウム水溶液(ブライン的なもの)**で洗うと、
- エタノールは水層へ移りやすい(=有機層から抜ける)
- ついでに層分離も良くなる
という効果が出ます。
「溶けやすい形に変える」って言い方はたぶん雑で、化学変化してるわけじゃない。
分配(どっちの層に居るのが得か)が塩で変わって、水層に寄せて回収(=除去)してるっていう話なわけです。
最後に確認:そのは
有機層を「水溶液で洗った」?それとも「無水の固体を有機層に入れて乾燥」だった?
どっちかで説明の細部が変わるよ。わかった?
無水の方
なるほど、無水を有機層(酢酸エチル側)に直接入れたってことね。
それなら目的はズバリ
乾燥(=有機層に残った水を取る)
が第一目的。
無水は水とくっついて水和物になりやすくて、
みたいにして「水を固体側に抱え込む。だから有機層が乾く」って話。
で、「エタノール除去」については注意点がある。
無水は水だけじゃなくてエタノールみたいなアルコールとも相性が良くて、場合によってはエタノールも一緒に捕まえることがある。だから先生が「エタノールを除くため」と言ったなら、意図としては
- 有機層に混ざった微量のエタノールや水を、固体に吸わせて取り除く
って理解でだいたいOK。
ただし実務的には「アルコールを残したい」場合、は避けて無水や無水を使うことも多い(アルコールを絡め取りにくいから)。
確認クイズ:無水を入れたあと、固体はどうなる?
A. 透明な液体として消える
B. さらさらの粉のまま
C. 固まってダマっぽくなる(湿ってくる)
D. 泡が出る
どれだった?これで「水を取ってる」感がつかめるはず。
つまり、分液ってこと?
うん、言いたいことは「分液で除く」方向に近いんだけど、無水の場合は“分液”そのものじゃないです。
整理するとこう。
-
分液(液体どうしを層にして分ける)
水層と有機層みたいに「液体が2層」あるときにやる操作。 -
無水を入れる操作(乾燥)
有機層に残ってる水(場合によってはエタノールも)を固体に吸わせて、
そのあとろ過/デカンテーションで固体を除く操作。
つまり「液体↔液体の分配」じゃなくて、液体↔固体への吸着・水和で除いてるわけ。
なので結論:
**「分液」ではなく「乾燥剤処理」**と思っておくのが正確。
ただ、もし「水溶液で洗う」だったらそれは分液(洗浄)なんよ。今回は無水だから別物ってこと。わかった?
CaCl2aq→分液
無水CaCl2固体→乾燥剤
ってこと?
素晴らしい!!その整理でOKです。
-
(塩化カルシウム水溶液)
→ 有機層を「洗う」操作になって、分液で水層と有機層を分ける。
水層にエタノールなどを移したり、層分離を良くしたり(塩析)する目的。 -
無水(固体)
→ 有機層中の水(場合によってはアルコールも)を固体が抱え込む 乾燥剤。
最後は固体をろ過して除く。
っていう話なわけです。やったぜ!
さんきゅうー
いいよー!またいつでも持ってきて。
化学でも物理でも数学でも、質問お願いします。
