リー代数はリー群をどこまで再現?

リー群リー代数指数写像リー括弧局所構造

リー群の単位元に貼り付いてる接空間であるリー代数は、元のリー群の構造を再現してるらしいけど、別の元のリー群がユークリッド空間なわけじゃないじゃんね?リー代数がリー群の構造を再現してるとはどういうこと?

16:38
リュウツー先生
リュウツー先生

いい質問。いま言ってる疑問は「接空間なんてただのベクトル空間なのに、どうやって曲がったリー群全体の構造が分かるの?」ってことだよね。

まず確認したいんだけど、君のイメージしてる「再現」って、次のどれに近い?

  1. 位相や多様体としての形(球面っぽいとか)まで全部わかる
  2. 群としての掛け算が(少なくとも局所的に)わかる
  3. 行列リー群みたいに、指数関数で本当に元が作れる

もう一つ。今どの辺まで知ってる?

  • exp:gG \exp: \mathfrak g \to G (指数写像)って言葉は聞いたことある?
  • ブラケット [X,Y][X,Y] が「非可換のずれ」を表す、みたいな話は知ってる?

ここがわかると説明の出し方がピタッと合うので、上の2つ答えてくれる?

16:38

その辺、聞いたことあるだけでよくわかってないね。位相や多様体としての形(球面っぽいとか)まで全部わかると思ってたけど違うの?指数写像は最近名前だけ聞いた。ブラケットが非可換のズレを表すのはXY-YXという定義からそりゃそうだけど、そもそもその「非可換のズレ」があるとなんなのか?って感じ。

16:40
リュウツー先生
リュウツー先生

なるほど、今の理解状況いいね。結論から言うと「リー代数がリー群を再現する」ってのは、**リー群の“局所的な群構造”**を再現する、って意味で、
位相や多様体としての大域的な形(球面っぽさとか)までは一般に再現できないんだ。

例えば SO(3)SO(3)(回転全体の群)と、その被覆群の SU(2)SU(2) は、リー代数はどっちも同じ(so(3)su(2) \mathfrak{so}(3)\cong \mathfrak{su}(2))なんだけど、
多様体としては SO(3)SO(3) は「RP3\mathbb{RP}^3」で、SU(2)SU(2) は「S3S^3」で別物。つまり同じリー代数でも別のリー群がありえるってこと。

じゃあ何が“再現”できるか。
単位元の近くで「ちょっとだけ動かす」を考える。
その“ちょっと動かす方向”が接空間 TeGT_eG で、これがベクトル空間としてのリー代数 g\mathfrak g
さらに g\mathfrak g にはブラケット [X,Y][X,Y] って構造が入るんだけど、これが

「2つの微小変換を順番にやったときの、非可換のズレの一次の情報」
を記録してる。

イメージとしては
exp(tX)\exp(tX) を「XX 方向に時間 tt だけ流す微小な群要素」だと思う(指数写像はその対応)。
すると
exp(tX)exp(tY)\exp(tX)\exp(tY)exp(tY)exp(tX)\exp(tY)\exp(tX) は、可換じゃない群だとズレる。
そのズレはだいたい t2t^2 のオーダーで出てきて、その主要項が [X,Y][X,Y] で決まる、っていうのが超大事な事実なんだ。
(このへんは BCH公式ってやつの入口。)

だからリー代数は

  • 単位元の近くでの積のしかた(局所群構造)
  • その結果としての対称性・保存量の構造(物理で効く)
    を握ってる、っていうわけ。

ここまでOK?
次、**「局所がわかると何が嬉しいのか」**と、指数写像が「どこまで群全体を作れるか」を話すと一気に腹落ちすると思う。

16:40
0 / 2000
マイセオくん