リー代数はリー群をどこまで再現?
リー群の単位元に貼り付いてる接空間であるリー代数は、元のリー群の構造を再現してるらしいけど、別の元のリー群がユークリッド空間なわけじゃないじゃんね?リー代数がリー群の構造を再現してるとはどういうこと?
いい質問。いま言ってる疑問は「接空間なんてただのベクトル空間なのに、どうやって曲がったリー群全体の構造が分かるの?」ってことだよね。
まず確認したいんだけど、君のイメージしてる「再現」って、次のどれに近い?
- 位相や多様体としての形(球面っぽいとか)まで全部わかる
- 群としての掛け算が(少なくとも局所的に)わかる
- 行列リー群みたいに、指数関数で本当に元が作れる
もう一つ。今どの辺まで知ってる?
- (指数写像)って言葉は聞いたことある?
- ブラケット が「非可換のずれ」を表す、みたいな話は知ってる?
ここがわかると説明の出し方がピタッと合うので、上の2つ答えてくれる?
その辺、聞いたことあるだけでよくわかってないね。位相や多様体としての形(球面っぽいとか)まで全部わかると思ってたけど違うの?指数写像は最近名前だけ聞いた。ブラケットが非可換のズレを表すのはXY-YXという定義からそりゃそうだけど、そもそもその「非可換のズレ」があるとなんなのか?って感じ。
なるほど、今の理解状況いいね。結論から言うと「リー代数がリー群を再現する」ってのは、**リー群の“局所的な群構造”**を再現する、って意味で、
位相や多様体としての大域的な形(球面っぽさとか)までは一般に再現できないんだ。
例えば (回転全体の群)と、その被覆群の は、リー代数はどっちも同じ()なんだけど、
多様体としては は「」で、 は「」で別物。つまり同じリー代数でも別のリー群がありえるってこと。
じゃあ何が“再現”できるか。
単位元の近くで「ちょっとだけ動かす」を考える。
その“ちょっと動かす方向”が接空間 で、これがベクトル空間としてのリー代数 。
さらに にはブラケット って構造が入るんだけど、これが
「2つの微小変換を順番にやったときの、非可換のズレの一次の情報」
を記録してる。
イメージとしては
を「 方向に時間 だけ流す微小な群要素」だと思う(指数写像はその対応)。
すると
と は、可換じゃない群だとズレる。
そのズレはだいたい のオーダーで出てきて、その主要項が で決まる、っていうのが超大事な事実なんだ。
(このへんは BCH公式ってやつの入口。)
だからリー代数は
- 単位元の近くでの積のしかた(局所群構造)
- その結果としての対称性・保存量の構造(物理で効く)
を握ってる、っていうわけ。
ここまでOK?
次、**「局所がわかると何が嬉しいのか」**と、指数写像が「どこまで群全体を作れるか」を話すと一気に腹落ちすると思う。
