失点パターン一覧
これは診断名ではなく、答案で観測された失敗機構を改善するための分類です。気になる項目を開くと、見えやすい兆候と一般的な対策の方向を確認できます。
30件のパターンを、考え方から学習行動までの工程ごとに整理しています。
目的・定義
メンタルモデル
単語や見た目だけで解き方を決めた
公式・解法・規則を、適用条件を吟味せず語や見た目の合図だけで選ぶ。 算数の操作や文法規則の選択も対象とする。知識の保存状態については診断仮説として扱う。
手順はできるが意味が分からない
手順・作図・記号操作の型は再現するが、操作の意味や適用条件を説明・使用できない。 本人が理解できていると誤認しているかどうかは、この観測だけでは断定しない。
知識どうしの関係が分からない
個々の概念・量は理解していても、それらの依存・因果・不変・対比・包含・順序の関係が 一つのモデルとして結ばれていない。「Aが同じならBはどうなるか」「Aを変えるとBは どう変わるか」を、定義や原理から説明できない。
読解
問題文の情報整理に失敗
一文または複数文に分散した複数の条件を、対象・関係・制約へ分解してから一つの 状況へ統合できない。個々の語は理解できても、修飾先、位置関係、対象の切り替わりを同時に 保持できず、問題文にない配置や関係を補う。
前の設問とのつながりを間違えた
前問との関係を正しく張れない。誘導(前問の結果が次問の方針を示す)を使わない 不使用型と、前問の設定・図・イメージを根拠なく持ち込む過剰継承型の双方向がある。
記号の見た目で意味を決めた
記号の字形、慣用、他問題での使われ方から、問題文の定義や 文脈にない量の意味・性質を補う。明示された定義より記号の見た目を優先する。
問題文の条件を読み落とした
問題文に明記された条件・限定・指定の一部を単純に読み落とし、その記述が存在しない 問題表象のまま解き始める。
立案
条件や法則を使う範囲を間違えた
正しい法則・条件を、それが作用する対象・集合・区間・段階・局所性を固定しないまま 範囲外へ広げる。対象の内外、部分と全体、局所条件と大域条件が混ざる。
答えを決める条件の検討失敗
答えを決めるために残っている未確定事項と、それを決める独立な情報の充足を 照合できない。数学・物理では未知数の数と独立な式の数の不照合として現れやすく、 正しい関係と新しい情報の混同、情報不足のままの作業継続、不足時に条件へ戻らない停止を含む。 憲法「決定構造」(立案・検証の深化)の主要な破れ方。
基準を揃えずに混ぜて使った
基準点・正方向・視点・比較基準の異なる量や判断を、共通の基準へ変換しないまま 一つの式や推論へ混ぜる。物理では、地上視点と動く物体からの視点、座標上の符号と現実の 向きを途中で切り替える形として現れる。
確信が持てるまで手が止まる
解法全体への確信が持てないことを、いま確実に実行できる処理まで止める理由にする。 書く前に頭の中で最適化・完成させようとして外部化が止まる。
頭でわかっても式や関係に表せない
言葉・現象として正しく捉えた条件(「材料が同じ」「離れる瞬間」「距離が極小」 「存在するための条件」「同時に原点へ戻る」)を、等式・不等式・境界条件・論理関係など、 後続処理に使える形式へ翻訳できない。知識も読解もあるのに、条件を操作可能な形で外部化できず 停止する。
知っている形に置き換えられない
見慣れない対象を、既知の構造・部品・生成原理へ変形・分解する視点が出ない。 反射型→透過型への折り返し、曲線→傾きと積分の生成原理、複合コンデンサー→小部品の 直並列、1次元の式→関数としての多次元拡張など。
解き方を比べずに決めた
定義通りの実行はできるが、方法選択の損得(消せる未知数の数、処理量、 誤りの伝播しやすさ)を比較せずに最初に浮かんだ方針で着手する。
先に出た解き方から切り替えられない
既に選んだ方針やそこで作った表象に引かれ、切替が必要な局面で現在の条件から 方針を立て直せない。同一設問内と設問間の両方を含む。
得た結果の使い道を見失った
正しい条件・補助文字・中間結果を得ているが、それを次にどの式・条件へ接続すれば 答えへ進むかを保持できず、利用しないまま別の操作へ進む。
知識の使いどころに気づかない
知識は保持され、直接尋ねれば説明できるが、問題の語・状況が検索キーとして働かず、 立案時に必要な定義・法則・方針を呼び出せない。